てのひらの父
- 作者: 大沼紀子
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: 単行本
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満足度は微妙だけど、最後まで読めた。
就活中の柊子が面接官に言われた言葉にズキッときた。
「永瀬さんは、一見すると明るそうだ。はきはきしていらっしゃるし、感じもいい。しかしどこか、装っている感じがしてしまう。本音が見えない。本当はなにを考えているのかわからない。だからなのか、見えない壁のようなものを感じてしまう。そう言われたことはありませんか?」
断定的に言う彼を前に、一瞬言葉を失った。なにしろ言われたことはあったのだ。ごく親しかった人に、辻斬りのように言われた。柊子には、なんか、壁があるよね。
はは。わたしも言われたことがある。言った本人は憶えてないって言うんだけどね。
えぇ今の主人です。 会社の先輩後輩だった頃だから、かれこれ10年以上になりますか。そのときは見透かされた気がして「この人と関わるのはやめよう」と思ったけど、...縁があったんだろうねぇ。