トリツカレ男
- 作者: いしいしんじ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03/28
- メディア: 文庫
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いろんなものに、どうしようもなく、とりつかれてしまう男、ジュゼッペが無口な少女に恋をした。哀しくまぶしい、ブレーキなしのラブストーリー。
外出先で時間ができた時限定でちょっとずつ読んだ。
無駄なことなんて無かった。無駄になったって良いんだ。何が言いたいかというと、「いしいワールドは愛で出来てます」という。 とっても素敵なおはなしでした。 夏がくる前に読み終わりたかったなぁと独りごチル夜。
「いつかパン屋さんをひらきたいな」
とペチカはいった。動物園のチケット売り場で、風船のひもをほどきながら、
「ふつうのパンだけでいいから、四種類ぐらい置いてね。両手でもってまんなかをさくと、綿菓子みたいな湯気があがるの。あの湯気ほどのごちそうはほかにないね、って、お客さんにいってもらえたらうれしいなあ」