腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

トリツカレ男

トリツカレ男 (新潮文庫)

トリツカレ男 (新潮文庫)

いろんなものに、どうしようもなく、とりつかれてしまう男、ジュゼッペが無口な少女に恋をした。哀しくまぶしい、ブレーキなしのラブストーリー。

外出先で時間ができた時限定でちょっとずつ読んだ。
無駄なことなんて無かった。無駄になったって良いんだ。何が言いたいかというと、「いしいワールドは愛で出来てます」という。 とっても素敵なおはなしでした。   夏がくる前に読み終わりたかったなぁと独りごチル夜。

「いつかパン屋さんをひらきたいな」
 とペチカはいった。動物園のチケット売り場で、風船のひもをほどきながら、
「ふつうのパンだけでいいから、四種類ぐらい置いてね。両手でもってまんなかをさくと、綿菓子みたいな湯気があがるの。あの湯気ほどのごちそうはほかにないね、って、お客さんにいってもらえたらうれしいなあ」