月と雷
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/07/09
- メディア: 単行本
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不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。
ふつうの家庭、すこやかなる恋人、まっとうな母親像… 「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は。
途中まで「角田さんは何でこの話を書こうと思ったんだろ???」と疑問なくらい微妙で、登場人物の名前が自分と同じでなければ最後まで読まなかったかも。
他人に拾われては、しばらく後にふらり出て行く直子。そんな母親と転々とした智。その母子によって「正常」な未来を奪われたと怒りを抱いて成長した泰子。
他人に寄生し、惑わせる直子という存在はどうしようもない人間なのか。ラストの直子自身の言葉が哀しいほど正しくて、加害者とか被害者とかそういうのって無いんだって思った。こういう感想で良いのかわからないけど。
生き方が不器用なのは 繊細すぎるのかもしれないね。
直子も智も泰子も歪んでるかもしれないけど、石屋や宗田や太郎の方がよっぽど異常なように思えた。太郎は本当に無理。