おかんの昼ごはん
おかんの昼ごはん ---親の老いと、本当のワタシと、仕事の選択
- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 単行本
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ふるさとに帰ってみると、おかんが「老いて」いた。母の老い、本当の「ワタシ」、仕事の選択。心揺さぶられる大人のアイデンティティ問題を取り上げた「ほぼ日」連載の大反響コラム集。
一応最後まで読んでみたけど、第1章だけで良かったかな、という感想。
それにしても私は最近、この手の本をついつい選んでしまう。実両親も義両親もまだ70前なのに。想像するだけで怖い。受け止められるだろうか。もうすぐ後厄なのに情けないったらないです自分。
数週間前の読売朝刊の「ぷらざ」の投稿に胸が詰まりました。
介護10年……私たちは夫婦
先日、老人ホームに入居している夫を訪ねた。「元子に会いたい」と言った。「私は誰?」と聞くと、「元子」と答えた。ああ、私のことは分かるのね。ホッとした。
夫が脳梗塞で倒れてから、来月で10年になる。現在は要介護4。少しずつ認知症が進み、記憶を失いつつある。昨年から外泊もできなくなった。
最近、「何も分からなくなった」と夫は言う。「何も分からなくていいのよ。大丈夫。私のことだけ覚えていればいいよ」と言うと、夫は泣いていた。
いつの日か、私のことも分からなくなるのだろうか。そんな日が来るのが怖い。寂しくて悲しくて、時間を止めてほしくなる。
仕事が休みの時しか面会に行けなくて、好きなモノをいっぱい食べさせてあげられなくて、ごめんね。
いつも心の中で泣いている。泣き終えたら前を向く。これからもずっと、私たちは夫婦。 (埼玉県新座市・我原元子 63)