腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

知ろうとすること。

知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)

福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学的に考える力の大切さ」を早野と語る。未来に求められる「こころのありよう」とは。
文庫オリジナル。

発売直後から twitter で話題になっていて、店頭では入荷待ち、Amazonでも一週間くらい待たされた。(今見たら、また入荷待ちになってる)


この本が原発事故の三年半後に発売されたことにとても意味を感じる。200頁足らずで対談形式なのでサクッと読める。何度も何度もサクッと読もうと思う。一家に一冊。

この話を、福島で心配している方々に、しっかり伝えたいというのはもちろんなんですが、同時に、当事者じゃない人たちにも、ちゃんと伝えなきゃいけないと思うんです。離れたところに住んでいる人たちも福島の方々と同じ真剣さで聞いてくれたらわかってもらえると思うんですけど、離れていることで、やっぱりどこか無責任になっているような気がするんですね。福島のことを心配しているようでいて、いまも、事故直後の「福島は放射線で汚染されちゃって、大変」っていうままの知識でいたりする。そういう姿勢こそが、将来、変な差別につながっちゃったりするんじゃないかっていう心配があるんです。

甲状腺がんを調査することと、将来のがん保険の話が興味深かった。わたしも20歳頃に甲状腺で引っかかってるし、周りでもいるし、本当に調べたら多いんだろうな。
わたしが選ぶ「尊敬する日本人10人」の一人、工業デザイナーの山中俊治さんのお名前もでてきたよ。