腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

トットひとり

トットひとり

トットひとり

私が好きだった人たち、私を理解してくれた人たち、そして私と同じ匂いを持った人たちへ――。「ザ・ベストテン」の日々、テレビ草創期を共に戦った森繁久彌、毎日のように会っていた向田邦子、〈私の兄ちゃん〉の渥美清、〈母さん〉の沢村貞子、そして結婚未遂事件や、現在の心境までを熱く率直に、明朗に綴った感動のメモワール。

キュートでおちゃめな黒柳さんが とても濃密な時間を共有した、大切なひとたち。ひとつひとつのエピソードが面白くて面白くて。森光子さんとの舞台でのイサドラ・ダンカンの話は何度読んでも噴き出してしまう。

子どもの頃、みんなと夢中になって遊んでいたのに、もっと遊んでいたいのに、気がつくと、ほのかに宵闇が近づいていて、広い公園の中にひとりぼっちで残されてて、どうしたらいいんだろうと途方に暮れた、ああいう感じに似ている。穴が空いたのに、替りに埋めるものが何もない、といった寂しさ。

黒柳さんのさみしさが伝わってきて、胸が苦しい。思い出を共有できる人がいなくなったら、本当に寂しいだろうな。。永さん、まだまだ長生きしてね。
人間の一生って、本当に短いんだなー。自分が死ぬことはそんなに興味がないけど、周りがどんどんいなくなるのを想像すると寂しくてたまらない。秋の夜長の読書には、ちとセンチメンタルになりすぎるかも。