腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

琥珀のまたたき

琥珀のまたたき

琥珀のまたたき

妹を亡くした三きょうだいは、ママと一緒にパパが残した古い別荘に移り住む。そこで彼らはオパール琥珀・瑪瑙という新しい名前を手に入れた。閉ざされた家のなか、三人だけで独自に編み出した遊びに興じるうち、琥珀の左目にある異変が生じる。それはやがて、亡き妹と家族を不思議なかたちで結びつけるのだが…。

古い映画のような。
小川洋子さんの紡ぐおはなしはいつも静かで苦くて温かいし、今作もそれは変わらないけど......それにしても救いがない。閉ざされた家での三人の世界が永遠に続くわけはないと分かっていても。
小川さんはどんな気持ちで書いたのだろう。琥珀が穏やかなほど、切ないよ。