腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

きみはいい子

きみはいい子 (一般書)

きみはいい子 (一般書)

ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
夕方五時までは帰ってくるなと言われ、雨の日も校庭にたたずむ生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子との物語など、胸を打つ作品を五篇収録。

本屋さんで一大コーナーが作られていて、迫力に負けて読んでみた。
ニュースで聞いたことのある、どこか他人事のように思っている児童虐待、ネグレクト、介護問題。現実が小説を超えている現状が悲しい。この作品に物足りなさを覚える自分はどこか麻痺しているんだろう。
「救い」というには悲しく脆いけれど、どうか...と願わずにいられない。