どん底
- 作者: 高山文彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/04/02
- メディア: 単行本
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おぞましい言葉に満ちたハガキ44通。「犯人」は「自分」だった。複雑に歪んだ「現代の部落差別」の構造を抉る事件ノンフィクション。
同和問題を知ったのは、恥ずかしながら社会人になり新人研修を受けたとき。 10分ほどのアニメVTRだった。中学の教科書で水平社は習ったけど、「昔はこんなこともあったんですよ」くらいで詳しい話はなかった。
いじめと似てる。いじめられる側に回りたくないからスケープゴートを作り排除し続ける。そんなことをする必要がどこにあるんだろう。同じ人間なのに。江戸時代のはなしとかされてもなぁ。個人に問題があるっていうならまだしも、生まれた場所で差別って。近づいたら、結婚したら、呪われでもするのかいな。
こういうことは無知でも良いと思う。どこかで断ち切らなきゃいけない。でも差別を受けた側は忘れ去られることは望まないのかなぁ。うーん。
部落差別自作自演事件。
部落問題というより、パチンコ借金支部の金使いこみ、嘘ついて嘘ついて嘘ついて他人を欺いて何とも思わない、心のどこかが欠損した男のはなしとしか思えなかった。
人間とは、なんなのだろうか。いまさらながら問いかけてみたくなる。
「人間は天使でもなければ、獣でもない。しかし不幸なことは、人間は天使のように行動しようと欲しながら、獣のように行動する」と、パスカルは『パンセ』で言っているが、私は山岡一郎のような物静かな恐ろしい獣を見たことがない。
- 作者: 島崎藤村,バラエティアートワークス
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 文庫
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漫画は手っ取り早く内容をつかめるけど、たぶん本質的なことは原作を読んだ方が良いんだろうな。