腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

クラウドクラスターを愛する方法

クラウドクラスターを愛する方法

クラウドクラスターを愛する方法

ふと、気づくのだ。
自分はただ、帰れる家がほしかったんだ、ということに。

デビュー作『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞を受賞した窪美澄さんの三作目。 二作目の『晴天の迷いクジラ』も良かったし、お値段も手頃な1200円でサイン本だったので迷わず購入した。
表題作「クラウドクラスターを愛する方法」
誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。主人公は幼い頃に自分を捨てた母親と再婚相手のマンションに向かい、正月を過ごす。仕事がうまくいかないのは、彼とうまくいかないのは、将来が不安だらけなのは――。
誰かのせいにして逃げたいときあるよ。うん。でも本当は自分のせいだってことが分かってるからウガーッてなるんだよね。うんうん。もうちょっと深みが欲しかったけど、重い作品ばかりもあれなんで。
キャッチアンドリリース」の方は、デビュー作の方に雰囲気が似ていた。不快感を感じる表現が巧いよなぁ。