ふくわらい
- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/08/07
- メディア: 単行本
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マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。25歳。 唯一の趣味は、暗闇でのひとり遊び―。
幼児らしく感情を表すこともなかった(おそらく自閉症の)定は、4才のとき初めてやった「福笑い」で人生で初めて大笑いをする。その翌年、母親が病死し、風変わりな父親と旅をしながら ちょっと(かなり)変わった幼少時代を過ごす。
変な小説だ。
変な人ばっかりでてくるし、変なエピソードもそこらじゅうに散らばっている。 でも、いびつで優しい。色んな形の愛が詰まっていた。
悪役レスラー守口廃尊と定の会話がとても素敵だ。ガングリオン。ガングリオン。 守口廃尊が主役のスピンオフがあったら読んでみたい。
「もっとこう、モヤモヤとした、言葉にできないものがあるんだ。脳みそが決めたもんじゃない、体が、体だけが知ってるよう、言葉っちゅう呪いにかからないもんがあるんだよ、て、ああ、『言葉にできない』も、言葉なもんだから、ああ、もう、嫌んなるなぁ。嫌だあ。」
守口は、両手で頭をぐしゃぐしゃとかきむしった。甲は傷だらけで、ふしが目立ち、まるで老木のようだった。
「かわいそうにって言ったよな、おいらさっき。かわいそうって言葉で合ってるのかなぁ。わかんねぇなぁ。言葉ってもっとなんとかなんねぇのかよう。脳みそ使いたくねぇよう、考えるのは嫌だ、嫌だなぁ。」
西加奈子さんは可愛らしい方だけど、『さくら』はトラウマ本だ。
- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/02/23
- メディア: 単行本
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