愛に乱暴
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/22
- メディア: 単行本
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これは私の、私たちの愛のはずだった
本当に騙したのは、妻か?夫か? やがて、読者も騙される狂乱の純愛。 “家庭”にある闇奥。“独り”でいる孤絶。
「やがて、読者も騙される」 帯にそう書いてあったので、注意深く読んだ。だからそれほど騙された感はなかった。 帯で煽るだけ煽るのやめた方がいいと思う。
不倫の末に勝ち取った妻の座。 しかし、夫は再び不倫をし、今度はその座を追われる立場になる。小さなひび割れは修復不可能になってしまった。
これが純愛? 純愛だから(だったから)こそ、これほど狂うことができるのか? 女=韓流好きではないぞ。なんだかとても疲れた。引きずりこまれる作品だった。
吉田修一さんが現在連載中の新聞小説『怒り』は、実際にあった事件の切り貼り。ハッテン場で出会った直人、漁港で働く偽名の田代、沖縄の無人島にいた田中。三人の影のある男たち。 いよいよ、大きく動きがありそうだ。