腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

家のない少年たち

家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル

家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル

詐欺、闇金、美人局、架空請求、強盗―家族や地域から取り残され・虐げられ、居場所を失った少年たちは、底辺で仲間となって社会への「復讐」を開始する。だが大金を手にしてもなお見つからない、“居場所”。彼らはそれを探し続ける。取材期間10年、語られなかったこの国の最深部を活写する、震撼ノンフィクション。

群れて威勢のいい輩が大嫌いなので、少年法なんていらないし、反省がみられるとか、更生してもらうとか、そういうの必要ない。平々凡々に生活している一般市民の世界に入ってこないでくれよ、そう思ってました。
全然これっぽっちも分かっていなかったんだと、この本を読んで思い知らされた。 罪は罪で許されないのは勿論だけど...少年たちの生い立ちが、わたしには想像もつかない地獄で。 ラリった親に「ケンシロウだ」とタバコを北斗七星の形にタバコの火を押し付けられ、跡を隠すために和彫りをいれていた少年。薬物中毒の母親は男の家を渡り歩く。意味など無い暴力を受け続けた少年は、保護施設でも暴力の的になる。母親が精神病の風俗嬢だという少年もいた。
圧倒的弱者で被害者だった彼らが、生き延びるために加害者側になる。『人間は平等ではない』と筆者も語っているけれど、それにしたって...何度も絶句する場面があった。もし普通の少年時代があったなら。空腹を抱え、小学校すら満足に通えない環境にある子どもが、どうやったら普通に成長できるだろうか。無理だよ。子どもたちを救うには、その親、そのまた親をも救わないと連鎖は終わらない。闇は深く深く、道をつけるのは困難だろうけど、まずは一人でも多くの人に読んで欲しい。


不謹慎だけど、ハラハラドキドキで凄い面白い。そして、何度も何度もこれがフィクションだったらな...と思わずにいられなかった。