腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

吉野弘詩集

吉野弘詩集 (ハルキ文庫)

吉野弘詩集 (ハルキ文庫)

社会のあり様や働き人の暮らし、家族の営みや自然の移り変わりを、日々を生きる者の飾らない眼差しでとらえ、深く柔らかくそしてユーモラスに練り上げた言葉でうたう詩人・吉野弘。名詩「I was born」や「祝婚歌」など、やさしく誠実な者たちの魂の重力を探った戦後五十年にわたる詩群のなかから代表作品を選び、季節・生活・言葉遊びなどテーマごとに配置する。

フランスでのテロ映像を見て、言葉にできない気持ちでいっぱいになった。
吉野弘さんの『奈々子に』の一節を。


ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ

自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう

自分があるとき
他人があり
世界がある。