腹八分寄り道人生

なんてことない日常つらつら

脳が壊れた

自分語り多めです。。

脳が壊れた (新潮新書)

脳が壊れた (新潮新書)

41歳の時、突然の脳梗塞に襲われたルポライター
一命は取り留め、見た目は「普通」の人と同じにまで回復した。けれども外からは見えない障害の上に、次々怪現象に見舞われる。トイレの個室に老紳士が出現。会話相手の目が見られない。感情が爆発して何を見ても号泣。一体、脳で何が起きているのか?持ち前の探求心で、自身の身体を取材して見えてきた意外な事実とは?前代未聞、深刻なのに笑える感動の闘病記。

フリーのルポライターとして、主に社会的に発言の与えられない弱者を取材してきた著者。脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害が残ってしまった。

あれ?この不自由になってしまった僕と同じような人を、僕は前に何度も見たことがあるぞ?
それはうつ病発達障害をはじめとして、パニック障害適応障害などの精神疾患・情緒障害方面、薬物依存や認知症等々を抱えた人たち。僕がこれまでの取材で会ってきた多くの「困窮者たち」の顔が、脳裏に浮かびました。

言葉にできないツラさを当事者の立場から「言葉」にしてくれています。

僕は、肉体的な苦痛以外に、死んでこの苦しみから逃れられるのならいっそ死んでしまいたいというほどの苦しみがあることを、知らなかったのだ。心がバランスを崩すというのがこんなにも辛いことだなんて、僕は本当に解ったフリをしていただけだったのだ。

脳梗塞脳卒中になった人は意外と身近に多いけど、なんとなくのイメージしかなかった。



父は39でくも膜下で倒れたけど、リハビリもそう熱心ではなく酒もタバコもやめなかったため病院も追い出された。家に帰ってきても色々と問題を起こし、そうこうするうちに私は思春期に突入し、父親を死ぬほど嫌悪した。
こじらせにこじらせたまま、就職で東京に来て嫁に行って、去年帰省しなかったから二年くらい顔をみていない。もう私のことを思い出せないときもあるそうだし、しょうがないと思う。
でも時々、思う。もし私たち家族がもっと精神的に支えてあげれてたら、父の人生が少しでも良いものになったのではないか。色んなことがぐちゃぐちゃに絡んで修復不可能だったけどね。共依存の父の母(故ばあちゃん)ががっちりガードで対立してたし。働きづめの母は倒れて入院するし、なんか結構波乱万丈だったかも。
今考えると、わたしはもっと大人に友人に話を聞いてもらったり、相談すれば良かった。「かわいそうな子」と思われたくなくて勉強や部活ばっかり頑張って、悩みなんてないふりしてた。



本の感想とズレてしまった。
巻末には、著者の奥さんからのメッセージが。奥さん素敵。

病気になったときは人生の谷かもしれないけど、また山は来ます。